ブログのようななにか

まとまりのないもの

こわい話②

これは僕が現在進行形で体験している怖い話です。

 

今年2022年の元日、とあるアイドルの方が新年の挨拶ツイートへのリプ全員にリプ返すると宣言していました。

僕は普段リプは滅多にしないので、こういうリプ返企画のときだけリプするのは厚かましいのではないかという考えが一瞬頭をよぎったのですが、まあ元日だし今日も何かの記念日ということで良いかと思い、日が変わるぎりぎりにリプを送りました。

三賀日は色々忙しいだろうから、最後に送った僕にリプが返ってくるのはだいぶ後になるだろうなとはそのとき思っていました。

その後リプが返ってこないまま、僕自身も元日リプ返についてはすっかり忘れていました。

 

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2月下旬、彼女が所属するグループの単独公演に参加したのですが、その終演後の特典会で彼女に会うなり開口一番に申し訳なさそうな顔で「謝らないといけないことがありまして...」と切り出されました。

心当たりが特になかったので頭の中に?マークが浮かび上がったのですが、続けざまに「お正月のツイートのリプがまだ返せてなくて...」と言われてああ、なるほどと合点がいきました。

元旦の挨拶に加えリプ返となるとかなりの数のリプが来ていることが想像できるし、それに対して真面目な彼女は1件1件真摯に対応しているだろうので、別に全然何の問題もないよと本心で返しました。

「そのうち絶対に返しますので!」という彼女の言葉にも特に違和感を感じませんでした。その時点では。

 

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5月末、僕はチェキ帳の整理や過去の自分の感想ツイートの見直しなどをしていたのですが、そのときに元旦のリプが返ってきていないことを思い出しました。現在のリプ返状況が気になった僕は彼女の元旦ツイートを遡って見にいってみたのですが、そこで気付きました。

リプが返ってきていないのは僕と他もう一方の2人だけであるということ。そして他全員は件の2月の単独公演の1週間以上前に返信済であるということ。

はたから見ると僕のリプはミュートされているかスルーされているように見えます。(僕のリプが結構滑っているので余計にそう見える)

2人分だけなぜ放置されているのかと疑問が浮かび上がり、そして放置されたことに対する激しい憤りを、なんて気持ちはもちろん微塵もなく、むしろこれは話のネタになるのでおいしいとすら感じていました。

色々と気になる部分はありながらも、彼女はしっかりものだけど天然な部分も結構あるのでシンプルに忘れているだけだろうと考えました。

なので僕もまた忘れないように携帯のメモ帳にメモしておき、今年の最後のライブの特典会で「今年もたくさんライブで会えたりツイキャスを観たりお正月のリプが返ってこなかったりで楽しかったです!」と話して、あっ!となって慌てる彼女の反応を見て楽しもうという計画を目論み始めました。

しかしながら、彼女はそんな僕の単純な推測の枠に収まるような存在ではなかったのです。

 

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先日、8月中旬のワンコイン単独公演。

特典会で僕の顔を見るなり「申し訳ないことが...」と言い出す彼女にデジャブのような感覚を覚えます。そしてチェキ撮影後のサイン時間に相対し、彼女は言いました。

「お正月のツイートへのお返事ができていなくてすみません!忘れていたわけではないんです!」

そう、彼女はリプ返について忘れていたわけではなかったのです。忘れていないにもかかわらず、もう既に200日以上にわたりリプを返していなかったのです。

忘れていなかったことに対して多少戸惑いを感じていた僕に、彼女は更に畳み掛けるように説明してきました。

「どんな内容でいつ返そうかとタイミングを伺っていたら機を逃し続けてしまいまして...」

段々と僕の中でざわざわとした気持ちが芽生えてきました。なぜなら正月ツイートにリプ返するのにタイミングを伺う必要性がないからです。遅くなったことに形式的に詫びを入れた後に返せばいつでもいいのです。

また、内容についても(一応他の人からも見えるとはいえ)1ファンへの正月の挨拶への返答において熟考する必要性もないはずです。

「もう時期的に違うので『あけましておめでとうございます』の文言は入れられないですが...」

いや最早そんなところに真面目にならなくてよいのです。むしろ入れてもらっても今更かい!というツッコミを入れられるのでどちらでもよいのです。

「でも絶対返しますので!」

 

半年以上タイミングを逸しつづけても絶対に返す意思があるらしい。

僕は思いました。元々正月ツイートのリプ返企画だったものは、半年以上の時を経て変異してしまったのではないかと。

彼女が自ら積み重ねてきたハードルの高さにより、140文字の形を呈した怪奇を産み出してしまったのではないかと。

 

この物語がいつどのタイミングで結末を迎えるかは僕にはまったく見当がつきません。

そのときどんな予想のつかない内容が送られてくるのか、それを思うと僕は震えて夜しか眠れないのです。